みずほ信託銀行は7月から地方銀行や信用金庫向けに相続関連ビジネスの営業ノウハウを月額制で提供する。相続時に預金が大手行やインターネット銀行に流出するのを防ぐことを後押しする。

金利上昇によって利ざやが回復し、銀行間では融資余力を生む預金の奪い合いが起きている。地域金融機関は預金のつなぎとめにつながる相続や資産承継に力を入れるが、現場の知見不足が課題だった。

みずほ信託は相続について体系的に学べるウェブサービスを開発した。相続一般に関する基礎知識や、遺言作成に必要な実務スキルをまとめた。承継プランの作成や相続税などの試算アプリに加え、オーナー企業の事業承継に必要な手法の学習ツールもそろえる。

みずほ信託は地方支店が少なく、地銀などを自社の信託商品の代理店としている。相続支援を通じて、地域金融機関との連携を深めながら顧客基盤を広げたい考えだ。

地方で築かれた資産は子供世帯など相続人のいる都市部の大手行やネット銀行の口座に移る場合が多い。これまで地方の金融機関で手薄だった相続関連の営業力を高めることで相続人との接点を維持し、預金を地域内にとどめる狙いがある。

日銀によると、2026年3月末の首都圏の銀行預金は523兆円と国内の5割を占める。統計が残る1999年3月末の4割から大きく増えており、地方からの吸い上げが鮮明だ。貸し出し余力を生む預金が枯渇すれば、地域企業の資金繰り悪化を招きかねない。